椿が咲き誇る！椿山海水浴場 | 海と日本PROJECT in 青森県

椿が咲き誇る！椿山海水浴場

山と海、そして風が三位一体となっているここは夏泊半島最先端、椿山です。
曲がりくねる道を果敢に行くと、右手には光りを受ける海が、左手にはどこまでも続く椿が私たちを楽しませてくれます。
平成８年には「日本の渚百選」に選ばれたほど、美しいロケーションを誇っている椿山海水浴場は、地元住民のみならず、青森県内の親子連れ、キャンパーを集めています。
今回は椿山海水浴場とその周辺についてご紹介します。

【概要】
○〒039-3301　青森県東津軽郡平内町東田沢横峰
○小湊駅より車で約30分
○青森駅より車で約70分
○駐車場あり

■豊かな自然を堪能できる椿山海水浴場

椿山海水浴場は野辺地湾に面しており、直径150メートルほどある海水浴場がふたつあります。
浴場は特徴的な半円形で、奥の方では釣りをしている人たちの姿も目立ちます。一方浅瀬では、潜ってヒトデや小さな魚たちが悠々自適に泳いでいるところを間近で見ることが出来ます。このように海の浅瀬と深瀬で違った遊び方が出来るのも魅力的です。

そして背中には松、そして目を引くような椿が丘陵いっぱいに咲いています。
ここ一帯に咲いている椿はヤブツバキという品種で、主に日本の南部から中部にかけて分布しているようです。

ヤブツバキは北へ行くほど少なくなることから、椿山は「ツバキ自生北限地帯」として国の天然記念物にも指定されています。
開花期は５月上旬～中旬で、花開いている様子は「全山紅色となり燃える如し」と賞賛されているのだそう。

また、冬は一層肌に染み入る寒気を感じながら眺める、青い海と白い雪のコントラストに心を打たれます。

海水浴場自体は冬でも立ち入り・キャンプが可能となっているため、寒さに震えながらも一人キャンプを楽しんでいる人の姿をちらほら見かけたりもします。
さらに少し足を伸ばすと、磯部が広がっています。

ゴツゴツとした岩が、孤島のように点在しているこの磯部へは地元住民もよく出かけており、道端には軽トラックが泊っていることもしばしば。

【詳しい情報はこちら】
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-bunka/kinen_tennen_1_02.html

■しっかり遊べる！快適なキャンプ環境

椿山海水浴場は施設共に無料で開放されています。
１つ目と２つ目の海水浴場の間にはトイレがと炊事場が１棟ずつあります。
また、椿山海水浴場開設期間には「椿ビーチハウス」にて温水シャワーも利用可能です。
ペットを連れることも出来ます。
三沢から来たと思われる外国人の方が、よくわんちゃんを連れて楽しんでいます。

■椿神社伝説

椿山海水浴場のすぐ近くの森の中には、椿神社がひっそりと腰を据えています。

椿の神を祀っているこの神社には、ある謂われがあります。
その昔、越前商人の横峰嘉平という人物が交易でこの地に降り立ち、村の娘・玉と結婚の契りを交わしたのだそうです。
しかし嘉平は一時的に帰郷しなければならなくなり、その際お玉が「京の女がつけている椿の油が欲しい、今度来るときはその実を持って帰ってきてください」と言い渡し、泣く泣く別れました。
お玉は嘉平を待ち続けましたが、嘉平は約束の年になっても帰ってこず、とうとうお玉は嘉平を深く恨んで海へ身を投げ捨ててしまいました。
村の人々は彼女を憐れみ、海が見える椿山に墓を作ってやりました。
明くる年、嘉平は約束の椿の実を持って帰ってきたのだが、村人からお玉の死を聞いて嘆き悲しみました。
彼女を慰めるために、彼は持ってきた椿の実を墓の周りに埋めてやったのが、芽を出し、大きくなって「椿山」になったということです。
境内には「ありし世の　その俤の偲ばれて　今の八千代の玉つばきかな」と詠まれた紹介板があります。
咲き乱れる椿の美しさの裏には、このような悲哀な物語が隠されていたのです。

■イベント&ワーケーション！

椿山海水浴場では2017年～2019年にかけて、県内外のクラフト作家60名、飲食店20店舗が集る「椿山クラフトキャンプ」というイベントが開催されていました。
（2020年からは新型コロナウイルスの関係で中止）
このイベントでは雑貨や食べ物の他にも、シーカヌーやSUPも楽しめ、年代問わず集るイベントとなっていました。

現在、椿山海水浴場でのSUPは「東青地域キャンプ&ワーケーション体験モニター」への参加で体験することが出来ます。
指導資格を持った町職員の方が丁寧に教えてくださるそうなので、安心してチャレンジすることが出来そうです。
さらに、このワーケーションのメニューには椿油を絞ってリップバーム作り体験も出来るそうです。

【ワーケーション概要】
○2022年7月9日、16日、28日・8月18日、27日
○交通費助成1人上限17,000円、団体1組上限68,000円
○レンタカー助成1組上限10,000円
○2023年の募集は青森県HPよりご確認ください
https://www.city.aomori.aomori.jp/kikakuchousei/touseiijuukouryuu/campandwarkation.html

海も山も一度に楽しめる椿山海水浴場。
1万数千本の椿と、波が穏やかな海水浴場は、自然の広大さを思い出させてくれます。
皆さんも是非、豊かな自然に癒やされてみてはいかがでしょうか？