レポート
2021.08.19

【海を守りたい】油が流出してしまった海のために、私たちができること

2021年8月上旬のこと。

青森県八戸沖の太平洋で、パナマ船籍の貨物船が座礁し、重油が海に流出してしまうという事故が発生してしまいました。

この緊急事態の中、「大好きな海が被害を受けている」「なんとかしないと」と、立ち上がった方々がいらっしゃいました。

■汚れてしまった海の現状を発信し続ける

青森県おいらせ町のフォトグラファー「成田 和彦さん」

普段から海の美しい朝焼けの写真を撮影し、またサーフィンも楽しまれているという彼にとって、今回の事故は非常にショックな出来事でした。

居ても立っても居られず、向かった海。そこには座礁した船の姿。そして目にしたのは、重油によって濁ってしまった波、という光景でした。

成田さん:夜通し、巡視船による中和剤散布が行われていたようですが、やはり油の臭いが感じられました。また、波に乗ってテトラポッドなどにも油が漂着しているのが見えました。

成田さん:また、五戸川の河口付近にも、座礁船から流れてきたゴムボードや浮き輪などが見られ、消波ブロックの内側などにも油が溜まってしまってました。

定位置網なども油の影響が出始め、このままでは地元の漁業も深刻な被害が発生してしまいます。

この緊急事態を、一人でも多くの人に知ってもらいたい。海の現状を知ってくれる人が広がることで、何かアクションが生まれるかもしれない。

そう願う成田さんはほぼ毎日、海の写真を撮影し、SNSで発信し続けていらっしゃいます。

■流れ着いたイルカを助ける

成田さんの写真仲間で、三沢市在住のビデオフォトグラファーNao Ookuboさん。

彼もまた、油流出事故の現状に心を痛め、海へ向かいました。

Naoさん:海を見に行ったら、心にぐさりと来る光景でした。油臭くて、30分くらい居ただけなのに、かなりの頭痛が次の日まで続きました。

Naoさんが三沢漁港を北上していくと、そこには砂浜に打ち上げられたイルカの姿が。

もう絶命してしまっているのだろう、と心を痛めていると、なんと動いたそうです!

急いで近寄ると、とても苦しそうなイルカ。水族館に電話して来てもらうのにも、最短で3時間。これはもう、一人で何とかするしかない。

そう決意したNaoさんは、イルカを海へ戻そうと奮闘しました。

Naoさん:毎日筋トレしていても、山に登るより、心臓がはち切れそうなくらい大変でした。でもイルカも一生懸命生きてるし何とか助けたい気持ちでいっぱいでした。

Naoさん:やっと波打ち際まで辿り着き、波に当たると、ようやくイルカが目を開きました。海に戻るのに必死で、こちらも高波に注意しながら無事海へ帰すことができました。

Naoさん:イルカは体力が落ちているようで、弱っているとすぐまた打ち上げられるかもしれません。でも、無事に帰っていってくれて本当によかったです。

■私たちにできること

座礁してしまった船の処理作業、重油の後処理をする為に、必死に働いてくれている人たちがいらっしゃいます。

その陰で、成田さん、Naoさんのように「海のために自分ができること」を考え、自主的に動いている方々もいらっしゃいます。

今回のケースが全て、船が座礁したことが原因とは限らないかもしれません。しかし、海に異変が起きていることは間違いありません。

海のために、小さくても、私たちにできることは、なんでしょうか?

 

<写真、情報提供>

成田和彦さん:https://www.facebook.com/lost.k.surftrip

Nao Ookuboさん:https://www.facebook.com/profile.php?id=100016114117937

イベント詳細

イベント名【海を守りたい】油が流出してしまった海のために、私たちができること
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