レポート

七里長浜と圧巻の千本鳥居・高山稲荷神社

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青森県は鯵ヶ沢町・七里長浜の海のすぐそばにある、近年「千本鳥居」がSNSでも人気のスポット「高山稲荷神社」。壮観な景色と、パワースポットとして県内外の方々に知られています。鎌倉から室町にかけてこのあたりを統治していた豪族安藤氏の創建と伝えられていますが、実は創建の年代は定かではありません。

■高山稲荷神社・由緒について

江戸時代、この高山の地域には一大霊場があり、安藤氏の祈願所として栄えるも、南部勢の焼き討ちにより焼失してしまいます。その後浅野家の赤穂城内に祀っていた稲荷大神の御霊代を奉戴した寺坂三五郎が鯵ヶ沢に移り住み、「赤穂屋」と号した醸造業が栄えます。その子孫がこの高山の霊地へ遷し祀った、というのがこの高山稲荷神社の御由緒です。
元々は三王神社が祀られていましたが、その後江戸時代に稲荷神社が創建され、江戸時代の稲荷信仰の隆盛とともに稲荷神社が繁栄していったものと考えられています。

■稲荷神社とは

稲荷神社、お稲荷様、とは稲を象徴する穀霊神であり、農耕の神様と言われています。本来は穀物や農業の神ですが、現在は産業全体の神様として扱われることが多くなってきています。
稲荷社の特徴としては、朱色の鳥居が建てられているもの・狐の像が置かれていること、があります。朱色は社殿や鳥居で広く使われておあり、稲荷を象徴する色として扱われています。狐の像の前掛けにも朱色が使われていることが多いです。

■高山稲荷神社内へ

高山稲荷神社は五所川原駅より車で30分。旧車力村方面へ進んでいくといたるところに看板が出てきます。

△「高山稲荷神社はこちら」の看板が出てすぐに見える大きな鳥居。この鳥居をくぐり、さらに直進していきます。

△駐車場の入り口にもまた巨大な鳥居が。この大きな鳥居をくぐってすぐのところに駐車場があります。この日は平日の朝9時ころだったのですが、県内のみならず県外ナンバーの車もすでにちらほら停まっていました。社務所には絶えず人が訪れていて、御朱印長を持参している方も多く見かけます。

△高山稲荷神社の由緒・境内案内図がこちら。三五郎稲荷神社・大島稲荷神社・千代稲荷神社・龍神宮・拝殿・作丈一稲荷神社・よんこ稲荷神社・熊五郎稲荷神社・山王神社・神明宮とたくさんの神様が祀られているのがわかります。この案内図を見ながら参拝していきます。

△参集殿の正面。稲荷神社の特徴である朱色がいたるところに使われています。こちらの参集殿では予約をすればランチやなんと宿泊まで可能です。

△参道入り口。急こう配の階段を上ります。段数も多く、登り切ったころには息切れしてしまうほどですが、右手にはスロープもあったのでお子様連れや車いすなどでも上ることが可能です。

△階段を登り切った先には拝殿があります。気持ちのいい秋晴れと相まって、心がスーっと晴れやかになっていくような気がしました。

△周囲の木々は桜の木があり、拝殿近くには紫陽花、龍神宮の近くには睡蓮の花があり、四季折々の花を楽しむこともできます。ところどころにベンチを置いてあるところもあるので、のんびり景色を見ながらお茶をしたり、ぼーっと時間を忘れて過ごせます。

△こちらが噂の千本鳥居の入り口。この千本鳥居を見に、そして写真を撮りに来る観光客や地元の方で賑わいます。千本鳥居というと京都の伏見稲荷大社が有名ですが、こちらの千本鳥居は五穀豊穣、海上安全、商売繁盛の神様としてご利益のある神社と言われていることもあり、個人や企業が協賛して鳥居を奉納しています。

△協賛者の名前が書かれた鳥居でいっぱいです。

△鳥居をくぐりながら上まで登ると、この絶景!頑張って歩いた甲斐がありました。このくねくねした形が龍のようになっているのですが、これは鳥居を建設していく際に庭園の形を崩さないように建立していったところ、偶然この形になったそうです。この景色は本当に圧巻。京都の伏見稲荷大社にも行ってみたいなと思いました。もう少し秋が深まると、周囲の木々も赤く色づいていることと思います。また、冬には雪が積もった千本鳥居も見ることができ、こちらもまた絶景だそうです。

■チェスボロー号との関連

高山稲荷神社のある旧車力地区は、チェスボロー号との関連が深い町としても知られており、高山稲荷神社のすぐ近く、高山小公園には七里長浜の海が臨める展望台とチェスボロー号の慰霊碑もあります。

△展望台を下から見た様子。奥の方見えるのがチェスボロー号の慰霊碑です。

△チェスボロー号遭難で亡くなった19名の名前が刻まれています。
チェスボロー号とはアメリカ・バス市の貨物船のことで、明治22年(1889年)10月に日本海を航行していたところ、七里長浜の沖合で遭難しました。当時の旧車力村民が、風速64メートルの嵐の中乗組員の救助を行ったことから、バス市とつがる市との姉妹都市交流が始まりました。2市の交流は今でも続いています。
この慰霊碑のほかにも、市内でチェスボローカップ水泳駅伝も開催されたり、高山稲荷神社の参集殿には、チェスボロー号を救助した際の状況を描いた油絵や、乗組員を肌で温めて救助したとされる工藤はん氏の銅像も飾られたりもしています。
小・中・高とつがる市の学校を卒業した夫の話では、学でチェスボロー号についての授業を聞く機会も多かったそうです。

■展望台から望める七里長浜

こちらが展望台から見た景色です。神社の敷地から海が見えるスポットは他にはあまりないのではないでしょうか。お天気にも恵まれ、なんと見事な地平線。空の青が海に向けてだんだんと薄くなっていき、海に交わるとまた別の青色に変わるこのグラデーションが本当に素敵です。この海を見ながら、心地よい風を感じて少しぼーっとしました。こんなに見事な地平線、何年ぶりに見たでしょう。
展望台には望遠鏡と双眼鏡を持ったバードウォッチャーの方もいました。マイいすや敷物、食べ物、飲み物と準備万端でいらしていて、次はまねしたいと思いました。こんなに天気が良くて、こんなに素敵な景色が望める場所に長居しないのはもったいないです。

パワースポットと呼ばれる高山稲荷神社を参拝し、この絶景を見ることができて感動の連続でした。ベタですが、日ごろの小さな悩みもすっかりどうでもよくなります。世界の平和、健康、それだけあれば何もいらないなとこの歴史ある場所と景色がそう思わせてくれます。

【高山稲荷神社】https://takayamainari.jp/
〒038-3305 青森県つがる市牛潟町鷲野沢147-1(五所川原駅より車で30分)
TEL 0173-56-2015(社務所)
参拝時間 9:00~17:00
年中無休

イベント名七里長浜と圧巻の千本鳥居・高山稲荷神社
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