日本有数の水揚げ量を誇る、「八戸港」。八戸市の大切な財産です。
サバをはじめとした質の良い魚介類がたくさん捕れることで有名です。
日曜の朝には、大規模な朝市「館鼻岸壁朝市」も開催されていたりなど、八戸といえば“海の恵みが豊富”というイメージがありますね。
しかし、近年の気候や環境の変化を思えば、それらの恩恵を当然のこととして捉え続けるのが難しくなってきている、という事実もあります。
そうした海の現状をより身近に感じてもらうために、「海と日本プロジェクト」は、昨年の10月23日に地域の子どもたちを対象としたイベント「八戸前沖サバ魅力発見!」を開催しました。
このイベントの中で、子どもたちは海やサバについての知見を深め、「サバ缶のオリジナルラベルのデザイン」にも挑戦してくれました。
“海を守ろう”というテーマのもと、思い思いにかわいらしいイラストを描き上げています。
「ぽいすてだめ」と書いてくれています。まさにその通り!
色鉛筆でカラフルに♩
完成したラベルのイラストを、誇らしげに掲げてくれました♩
そうそう、きれいな海は「みんなで」守ることが大切ですよね。
この企画にお力を添えてくださった株式会社マルヌシの地主社長は、「子どもたちの発想やイラストから、海を守ろうという気持ちが伝わってきた。多くの人に見てもらえたらと思った。」とお話してくださいました。
そしてこのオリジナルラベルのサバ缶は、実際に商品化され、八戸の「ユートリー」にて販売もされました。
※ユートリー…八戸駅のすぐ隣にある建物で、お土産屋さんだけでなくホールや宿泊施設等も兼ね備えており、買い物意外でも幅広い役割を果たしている存在だそうです。
とってもお上手なイラストですね!本当に、海を守りたいという強い願いが伝わってきます。
こんなにかわいいイラストを見ながら食べるサバは、おいしさもひとしおなんだろうなぁ。
自分たちが描いたものが商品になりお店に並ぶ。子どもたちにとって、印象深い出来事になったのではないかと思います。
“駅のすぐ隣”というユートリーの立地条件もあり、地元の方だけでなく観光客の方々もこのオリジナルラベルのサバ缶を手にとってくれたといいます。
八戸のおいしいサバとともに、「子どもたちが海について学んだ」ということも、広くお知らせすることができました。
※新聞にも掲載されました。
地主社長は「年々魚が捕れなくなっていて、海洋環境の保護の重要性を毎年より強く感じるようになっている。何も手を打たなければ今後さらに状況が悪くなっていくと思うので、子どもたちの世代でも変わらすサバをおいしく味わえるように、海の現状について学んでほしい。」とお話されていました。
子どもたちは、ラベルのデザインという楽しい作業を通して、海の直面している問題を知り、考えるきっかけとなりました。
そしてそれを手にしたたくさんの大人たちも、同様に青森の海を想ったのではないでしょうか。
とても素敵な取り組みとなりました。
ちなみにこのサバ缶は、株式会社マルヌシが手掛けるおしゃれでユニークな商品「サバ缶バー」とのコラボ商品でもあります。
“八戸土産の定番品を新たに生み出したい”という想いから開発されたというこちらの缶詰。
青森県特産品コンクール「青森県知事賞」や、優良ふるさと食品中央コンクール「農林水産大臣賞」では、最高賞も受賞しています。すごい!
地主社長は、「既存のものからいかに離れたものを生み出すか」ということを常に念頭に置いているのだそうです。
古くからある水産加工の分野の中に、積極的に新しい風を送り込もうとする姿勢には、心を打たれます。
こうした前衛的な心意気とお土産品が、質の高い青森の海の恵みをより全国的に知らしめ、たくさんの人に海を考えるきっかけをもたらしてくれるのではないかと思います。
食卓に並ぶ魚も、当たり前に捕れているわけではありません。限られた資源になりつつあります。
この先も末永くおいしい海の恵みを受け取り続けていくために、ひとりひとりの海への想いがとても重要になってきます。
子どもたちが描いたラベルを身に纏ったサバ缶や、キャッチーで斬新な味のラインナップを持つサバ缶。
これらは、「おいしくいただける」だけのサバ缶ではありません。
「美しい海を守りたい」そんな気持ちも持たせてくれる、特別なサバ缶といえるのではないでしょうか。
海の平和を願う人たちの想いを受けて、ほんの身近な存在に過ぎなかったサバ缶も、いま新たな役割を見出しつつあります。
今後は、青森の海について再考する機会をくれる新しいツールのひとつとして、さらに大きな存在となっていくことでしょう。
・サバ缶バーは、株式会社マルヌシの公式オンラインショップからも購入できます。<マルヌシオンラインストア (shop-pro.jp)>
イベント名 | “サバ缶”を通して、青森の海を考えよう。 |