レポート
2024.07.21

下北半島の大自然が生んだパワースポット「仏ヶ浦」

下北半島には自然を楽しめる観光地が多く存在しますが、そのなかでも有名な場所のひとつが仏ヶ浦(ほとけがうら)です。日本の秘境100選にも選定されています。

仏ヶ浦は青森県下北半島西岸の、佐井村に存在します。下北半島の形は「まさかり」に似ているといわれていますが、そのまさかりの刃先の部分、ちょうど真ん中から下側にかけてあるイメージです。

今回は下北半島在住のわたしが実際に足を運び、仏ヶ浦の過去の歴史と、いまの姿をお伝えしていきます。生まれも育ちも下北半島ですが、恥ずかしながらはじめての散策です。

これから仏ヶ浦に行きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

下北半島1周の旅

むつ市街を10時半頃に出発。今回は車で行き、仏ヶ浦まで歩いてくだることにしました。フェリーで遊覧するコースもあるのですが、せっかくのはじめての散策。記念と経験のために歩くことにしました。

仏ヶ浦までは、バスか車で行くことが可能です。むつ市街地からのルートとしては、川内町を経由するコースと、大畑町から大間を通り佐井村まで向かうコースがあります。

むつ市街地から向かう場合は、川内町を通るルートの方が早く到着できるので、行きは川内町を経由し、帰りは佐井村、大間町を通って帰ることにしました。下北半島ぐるっと1周の旅です。

道中はひたすら山、山、山。道路はしっかりと整備されていますが、くねくねとした道が続くため、車酔いしやすい方は酔い止めを飲んだり、休憩したりしながら行くことをおすすめします。

いざ、仏ヶ浦へ。

1時間20分ほどで到着。駐車場は広く、多くの車が停められていました。

仏ヶ浦までは山のなかを歩いてくだります。参考までに、行きは約20分、帰りは約40分で行けるそうです。

ちなみに、駐車場内にトイレはありません。くだった先にしかないため、駐車場に着くまでに済ましておいた方が安心です。

思っていた以上に傾斜があり、半分歩いたところですでに息が上がっていました。

道中には、ベンチや休憩スペースがいくつか用意されています。わたしは7月上旬に行きましたがもうすでに暑かったため、水分補給をしながら無理のないペースで散策してくださいね。

仏ヶ浦が近くに見えてきたあたりで、野生のニホンザルと遭遇しました。こちらを見つめて、通路にちょこんと座っているのです。

時期によっては、野生の動物と遭遇する場合もあるのだとか。見た感じでは子ザルでしたね。かわいらしく、写真に収めたい気持ちにかられましたが、刺激を与えないようにそのまま歩き去りました。

帰りにはいなかったので、人の気配がないときにいるのかもしれません(わたしが子ザルに遭遇したときは、周りに人がいなかったため)。親猿が近くにいると警戒して近寄ってくることもあるそうです。心配な方は、2人以上で散策することをおすすめします。

現実世界に広がる、極楽と地獄

15分ほど歩いた先には、現実世界とは思えないような世界が広がっていました。見たことがないような形や色をした白岩の数々。荒く跳ねる波。澄んだ海の青。自然の厳しさが生んだ壮麗なさまは、下北半島随一の景勝の名にふさわしいといえます。

仏ヶ浦は、下北の大半が海中にあった約2,300万年前にできました。仏ヶ浦の象徴ともいえる断崖は、海底火山噴出物からなる凝灰岩層です。その層が盛り上がり地上に露出したあと、雨水や波浪、凍結などによる浸食をうけ、現在の巨岩・奇岩ができあがったといわれています。

仏ヶ浦の奇岩は、波や風化作用などの影響によってできる波食棚やポットホール、波食窪などがいたるところで確認できます。

これらの浸食作用は現在まで続いており、すこしずつその姿を変えています。

これは「如来の首」といわれている奇岩です。如来が右を向いているように見えることから、名付けられたのだとか。

仏ヶ浦はもともと、仏(ほとけ)と、アイヌ語で海辺・砂浜を意味する「ウタ」から、「佛宇陀(ほとけうだ)」とよばれていました。

仏ヶ浦の奇岩や巨岩の造形が、如来や羅漢像、蓮華の花を連想させることから「仏の浜」とよばれ、仏ヶ浦信仰が発達したといわれているそうです。奇岩にはそれぞれ名前が付けられており、その多くは仏教に関連しています。

この写真は「五百羅漢」とよばれる巨岩です。

歩いていくことはできませんが、この距離でもしっかりと迫力が伝わります。

こちらは「屏風岩」。

こちらは歩いてすぐそばまで行くことができます。見上げても頂上が見えないくらいの大きい白岩のすがたは、まさに圧巻です。

下北半島の大自然が生んだ、仏ヶ浦

大自然に感動し大満足でしたが、気温が高いことも相まって、帰り道はとても疲れました。行きはへっちゃらでしたが、帰りはずっと息切れしながらのぼりました……。体力に不安がある方は、フェリーで行った方がよいかもしれません。歩いての散策を考えている方は、帰りは行きよりも休みながら、ゆっくりとのぼりましょう。

下北半島在住だといつでも行ける感覚で、なかなか行く機会がなかったのですが、今回行くことができてとても楽しかったです。

目で見て、実際に触れて、体全体で楽しめる仏ヶ浦。

下北屈指の景勝地仏ヶ浦で、あなたもパワーチャージしませんか?

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