短い秋の終わりが近づく10月下旬、浅虫温泉に宿泊してきました。本格的になってきた寒さと、仕事の忙しさで体はボロボロ。せっかく行くなら温泉以外にも癒されたい……、ということで選んだ場所は、海を見渡せる浅虫温泉でした。
青森県青森市にあり、1,200年以上の歴史をもつ浅虫温泉。古くから青森県の温泉地として全国的に知られています。「東北の熱海」と呼ばれることもあるほど、海と温泉の両方を楽しめる温泉地としてたくさんの人から愛されてきました。
決め手は、一面に広がる陸奥湾をひとりじめできる露天風呂があることでした。浅虫には何度も足を運んでいましたが、宿泊するのは幼いころに家族旅行で行ったきり。幼いころと大人になったいまでは、楽しむ視点も感じ方も変わっていました。
今回は、青森県民であるわたしが、県民ならではな視点で魅力を紹介していきます。
きっとあなたも、浅虫温泉に行きたくなることでしょう。
わたしは青森県むつ市に住んでいます。自宅から浅虫温泉との距離は車で約2時間、青森駅からは約30分で着くため、アクセスがいい温泉地です。電車も通っているので、車がない方や県外から訪れた方も安心して旅行できます。
わたしは車で行きましたが、旅行気分を味わいながら、ドライブがてら気軽に行ける距離感でした。むつ市から浅虫方面へ車を走らせていると、窓の向こうにはきれいな陸奥湾が広がっています。太陽に照らされてきらきら光る水面を横目に、すでに心が躍ります。
行きたい!と思い立ったときにふらっと行ける距離感は、気負わずに旅行できる嬉しいポイント。準備や出発時間にとらわれず、ゆったりとした気持ちで楽しめます。
旅館のご飯もまた、旅の楽しみのひとつ。今回は夕・朝食付きのプランにしました。
夕食はハーフバイキング形式で、旬の食材をつかった一品料理やお刺身をいただいたあとは、好きな料理を自由にいただけるスタイル。
青森県産の食材がふんだんにつかわれていて、感動しました。青森県のブランド米である「青天の霹靂」が食べ放題だったことが嬉しかったですね。青森県民ですが、ブランド米は口にする機会が少ないのです。
揚げたて、焼き立てで提供されるてんぷらやステーキも、県産品のものばかり。あらためて、青森県を代表する食材の多さとおいしさに驚かされました。
朝食では、なんと「貝焼き味噌」が食べ放題という贅沢っぷり。貝焼き味噌は、青森県民なら知らない人はいないくらい有名な郷土料理です。実家を離れてから食べる機会が減っていたので、懐かしさのあまりおかわりしてしまいました。
青森県に住んでいても、知らない郷土料理や県産食材が多くあり、青森県の自然の豊かさを再認識できました。今後は普段の料理に取り入れてみようと思います。
この旅の主役といっていいほど楽しみにしていた、露天風呂。温泉から眺められるオーシャンビューは圧巻でした。幼いころから海の近くで育ってきたので、海を見ると気持ちが落ち着きます。
日が落ちて、藍色に染まった夜のなかにある海もまた、神秘的でした。
月に照らされて、昼間とは違うかがやきを魅せてくれます。
露天風呂では、波の音を聴きながら、海岸沿いを走る車のランプをぼーっと眺める……。そこには日常の忙しさを忘れさせてくれるような、特別な時間が流れていました。
時間帯や時期もあったと思いますが、人が少なくほぼ貸し切り状態でした。陸奥湾をひとりじめしたような、贅沢な時間だったといまでも記憶に残っています。
海の景色と温泉という最高の癒しパワーで、身も心もフルチャージできました。
浅虫温泉には、一日中楽しめる観光地が多いことでも有名です。
マリンアクティビティや海釣りが体験できる「サンセット・ビーチあさむし」は、毎年多くの人でにぎわいます。
ねぶたの時期には、青森県を代表する花火大会のひとつである「浅虫温泉花火大会」が開催されます。色とりどりの花火、それをうつす海面の美しさ、潮のかおり。海のすぐ近くで上がる迫力満点の花火は、一度見たら忘れられません。昨年はじめて行きましたが、首が痛くなるほどの近さで観る花火は、圧巻の景色でした。
そのほかにも、浅虫温泉駅から歩いて約10分のところに「浅虫水族館」があります。イルカのパフォーマンスショーや、ヒトデやヤドカリなどに触れる体験ができるコーナーなど、子どもから大人まで楽しめる水族館です。トンネル水槽では、陸奥湾に住む生きものたちをテーマに、県産品であるホタテやホヤの養殖の様子を観察できます。
一日中楽しめる浅虫温泉は、まだまだ魅力がいっぱいです。
海に囲まれた浅虫温泉は、一年をとおして違う景色を楽しませてくれます。
寒さが厳しいいまの時期は、かたまった身と心を温泉でほぐしながら、雪がちらちらと降る海の景色で癒される。そんな贅沢な旅行はいかがでしょうか。
海と温泉と観光。すべてを楽しめる浅虫温泉に、ぜひ足を運んでみてくださいね。
イベント名 | 陸奥湾をひとりじめできる浅虫温泉!青森県民ならではの視点で紹介 |