本州の最北端の地といえば、青森県大間町の「大間崎」が有名です。
では、「本州の最果て」とか「本州最生涯の地」と呼ばれる場所は、皆さんご存知でしょうか?
今回はそんな、本州の最果てと呼ぶにふさわしい海の絶景が広がる地、青森県東通村の「尻屋崎(しりやざき)」と、そこでたくましく生きる「寒立馬(かんだちめ)」たちをご紹介いたします!!
尻屋崎がある場所は、青森県下北半島の北東、地図上では下北半島の一番の端っこに当たります。
青森市からでも車で片道3時間ほどかかる場所なので、青森県内に住んでいても「行ったことがない」という人も多い場所なのです。
でも、実際に尻屋崎を訪れた人たちがまず感動するのは、この海の壮大な青さ!!
どこか北欧の海をも彷彿させるような、日本離れした光景が広がる半島となっているのです。
ちなみに尻屋崎周辺の海域は、津軽海峡から太平洋へと潮の流れがとても変わりやすいことも特徴です。
また濃霧などもよく発生するため「海の難所」として古くから恐れられていたのだとか。
なので、尻屋崎に設置された灯台の役割はとても重要なものだったそうです。
そして尻屋崎といえば、有名なのが「寒立馬(かんだちめ)」と呼ばれる馬たち。
海がすぐ目の前に広がる地に、自由に生きる馬たちがいる光景。こんな珍しい組み合わせ、世界中でもなかなかありませんよね。
尻屋崎周辺はかなりの広範囲に渡って、寒立馬たちが放牧されてます。
なのでこのように、車が往来する道路も普通に寒立馬たちは横断していったり、道の真ん中で立ち止まってしまったりと、かなりのフリーダムさです。
背中が痒くなったり眠くなったら、海のすぐそばでこのように寝転ぶ姿も見られます。
目の前に広がるこの景色。色んな意味で現実離れしてませんか?笑
ちなみに寒立馬たちはよく「野生の馬」と思われがちですが、実は東通村が管理している「天然記念物」なのですよ。
その歴史は古く、寒立馬たちが尻屋崎周辺で放牧され始めたのは、南部藩政時代まで遡ります。
寒立馬の先祖は「田名部馬」と呼ばれ、比較的小柄で寒気と粗食に耐え、持久力に富んだ馬だったそうです。
田名部馬は「南部馬」の子孫で、その後は明治〜昭和にかけて軍用馬としても改良されてきたのだとか。
農耕馬としても活躍した「南部馬」の血を引く唯一の馬が、この寒立馬たちなのだそうです。
冬は尻屋崎の灯台周辺は雪で閉鎖される為、「アタカ」と呼ばれる放牧地で、雪に埋まった草を掘って食べているそうです。
この姿は特に、寒立馬たちを象徴する光景として有名です。
写真出典:下北ナビ
尻屋崎周辺はゲートによって区画されていて、この寒立馬たちと海の光景を眺められるのは、毎年4月〜11月までとなってます。
本州最果ての地で、自由に生きる寒立馬たちがいる海の光景。
青森県が世界に誇る海の光景を、皆さんもぜひ一度ご覧くださいね!!
イベント名 | 「寒立馬」たちが自由に生きる「尻屋崎」は本州最果ての「海の楽園」だ! |
海が大好き。魚介類も大好き。3つの海に囲まれた青森県内を旅し、写真撮影と取材に情熱をかける男。海のことを考えると夜も眠れない