陸奥湾のホタテを守るためにわたしたちができること

レポート

陸奥湾のホタテを守るためにわたしたちができること

2024/2/6

青森県は日本海、太平洋、津軽海峡と3つの海に囲まれており、中央にひろがる陸奥湾では、さまざまな海の生きものたちが暮らしています。

青森県といえばりんごのイメージが強いですが、陸奥湾でとれるホタテもおいしいと有名です。みなさんは陸奥湾のホタテを食べたことはありますか？新鮮でおいしい活ホタテは、贈り物として購入する方も多く、青森県を代表する魚介類のひとつです。

今回は、なぜ陸奥湾でとれるホタテは美味しいのか、その秘密に迫ります。大事な名産品であるホタテをずっと守り続けていくために、わたしたちができることも考えてみました。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

おいしいホタテが育つ陸奥湾の秘密

陸奥湾は津軽半島と下北半島に囲まれた内湾です。地形が似ていることから「まさかり半島」と呼ばれており、その部分の下に広がる海のことをいいます。

陸奥湾には、春になると八甲田山に積もった雪が雪どけ水となって流れ込んでいます。この雪どけ水にはミネラルがたっぷりと含まれているため、良質なプランクトンを育ててくれるのです。陸奥湾のおだやかな波のなかで、栄養たっぷりなプランクトンですくすく育つからこそ、おいしいホタテに成長していくのですね。

青森県全体でおよそ50％の生産量を誇る平内町は、ホタテ養殖発祥の地です。人口の餌は与えず、自然に生まれた稚貝（ホタテの赤ちゃん）から育てています。陸奥湾のホタテがおいしいといわれているのは、青森県の豊かな自然や漁師の方たちのたゆまぬ努力のおかげなのです。

青森県民が教えるホタテのおいしい食べ方

陸奥湾のホタテは、甘みがあり肉厚。ぷりぷりとした歯ごたえがたまりません。アミノ酸やビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているため、健康にもよい食材といわれています。青森県民であるわたしも、陸奥湾でとれるホタテが大好きでよく食べています。

王道ですが、バター醤油焼きは外せません。身がひきしまりジューシーで、香ばしさが加わったホタテは格別な味です。わさび醤油でいただくお刺身も濃厚で、ほたての甘さが際立ちます。

どのような食べ方をしてもおいしいホタテですが、青森県民としてはぜひ食べていただきたいホタテを使った郷土料理があります。それが「貝焼き味噌」です。ホタテの貝殻を器代わりにし、だし汁、味噌、溶き卵、ホタテ、ネギなどお好きな具材を入れて煮込みます。個人的には具材をあまりいれずに、シンプルにいただくのがおすすめです。ホタテそのもののうまみを感じられますよ。

青森県民が愛するほっとする味です。難しい工程がないので、簡単につくれます。ぜひ食べてみてくださいね。

大事なホタテを守るために

皆さんはホタテが高温に弱いことを知っていますか？
ホタテの生息水温は5～22度で、冷たい海のなかで成長します。夏季に水温が20度以上超える日が長く続いてしまうと、ホタテは育つことができません。雪が降る青森県で養殖が盛んなことからもわかるように、ホタテは冷たい海が必要不可欠なのです。

近年、地球温暖化の関係で年々海水温度が高くなってきています。昨年の陸奥湾では、夏季の平均値を大きく上回る日々が続いていました。（参考：気象庁　沿岸域の海面水温情報陸奥湾）

地球温暖化とは、わたしたちが生活するうえで排出される二酸化炭素などの温室効果ガスにより、地球の平均気温が上昇してしまう現象のことをいいます。地球の平均温度が上がると、おのずと海水温度も高くなっていきます。このままでは、ホタテが快適に育つ環境ではなくなってしまいますよね。

そこで大切なホタテを守るためにわたしたちは何ができるのか、考えてみました。

１．徒歩や自転車を利用する
青森県では車を所有している方が多いかと思いますが、わたしもそのなかのひとりです。ついその便利さから、徒歩5分の距離でも車に乗ってしまうことがありました。ですが最近はお休みの日や天気がいい日、少しの買い物程度であれば、歩くようにしています。運動不足解消にもなりますし、一石二鳥ですね。

２．電気やガス、水道など光熱費を節約する
光熱費を節約することで、二酸化炭素の排出量削減が期待できます。いまの時期は、エアコンの暖房温度を20度に設定したり、シャワーをこまめにつかったりして気をつけています。青森県の冬は寒さが厳しいですが、着る毛布や電気毛布などのアイテムをうまく活用することで対策できますよ。

３．ポイ捨てをしない
ごみのポイ捨てや不法投棄は、海の環境を悪くする原因にもつながります。海であそんだあとに出たごみは、かならず持ちかえり分別してから捨てましょう。海に限らず、すべての場所で心がけたいマナーですね。