レポート
2023.02.22

青森の海の幸で食育〜ヤリイカ〜

スーパーや魚屋さんへ子どもと一緒に買い物に行くと、「あー!おさかなだー!」と水族館にでも来たかのようなキラキラした目で、売られている魚たちを見つめていることがあります。切り身になっているものでも「これはなんていうおさかな?」「どこから来たおさかな?」と興味津々。一匹丸ごと売り場に並んでいるものは「これはどうやって泳いでたんだろう?」「どうしたら食べられる形(たぶん切り身のこと)になるの?」と、親の知識が試されます。

こうしてお魚観察するのも水族館へ行くのも大好きな子どもたちですが、実際に魚を食べるのは少し苦手。これはもしかしていいチャンスなのでは…?と思い立ち、丸ごとの魚を使って一緒にお料理してみよう!ということになりました。

■食材探し

せっかくなので、住んでいる地域・青森県に生息する魚介を使いたいねということで一緒に調べてみました。青森県産品で、今の時期に手軽に手に入るもの。そして、子どもや魚素人お母さんにも扱いやすそうなものって何だろう?

以前、虹のマートさんへお邪魔した時にYouTubeに魚をさばいてみた系の動画が今たくさんある、という話を聞いたことを思い出し、早速YouTubeで検索してみることに。すると「プロが教える!」「〇秒でできる!」「簡単三枚おろし!」などなどたくさんありました。動画を見てみると、思っていたよりハードルはそんなに高くはなさそう…?と思ったのですが、子ども的にはお魚がさばかれていく姿がショッキングだったようで。「ちょっとかわいそうかも…」と。なるほど。ですよね(笑)。その中で、「これなら大丈夫かも~」と言ってくれたものがイカでした。ほっ。ということで食材は無事イカに決定。

■イカ探しへ

まずは近所の良く行くスーパーへ。事前に調べたところによると、青森県では12月~4月ごろがヤリイカの旬と書いてあったので、お目当てはヤリイカ。あるかなどうかな~とドキドキしながら魚売り場へ行くと、ありました、イカ!ヤリイカ!しっかり青森県産の文字も。青森県産のヤリイカの特徴は、透き通った身の透明感と、ほどよい甘み・旨味・歯ごたえとのことで、近くに北海道産のヤリイカも売られていたのですが、青森県産のものに比べて安かったのですが、身が小ぶりで少し白っぽかった印象です。
こうして同じ食材を産地別に見比べることをあまりしてこなかった系の主婦なので、なるほどな~と新鮮な感覚でした。これが丁寧な暮らし…!

■いざ調理!

今回購入してきたヤリイカのほか、冷凍庫に眠っていたもずくも良い機会なので使ってみることに。

YouTubeで得た知識と、学生時代に授業で習った知識を総動員してイカをさばいていきます。「それではイカをさばいていきたいと思いますぅ~」とユーチューバー口調にもなっちゃいます。

娘の手と比べるとやっぱり大きい!そして透き通っています。

予想はしていたのですが、「やってみよう!」と誘うと「…ママやってよ~」と。目がやっぱり怖いとのことで。了解了解。
胴体と顔・足の部分を引き離しつつ、骨や内臓も一緒に引っ張り出します。
骨が思ったよりもしっかりくっついていたので、胴体をパカっと開き、残りの骨と内臓を取り除きます。このときイカ墨も結構出てきます!本当のイカ墨だ~となんだか感動しました。
次に皮を取り除きます。

身を抑えつつ、勢いよくべえ~っと引きはがします。少ない力でも簡単に剥けたので、この作業は子どもでもできました。分解済なのでグロさがさほどないのも良かったようです。

身の部分とゲソの部分とで分けて切ります。
固いから切る作業は大人かな~と思いましたが、やらせてみると子どもの力でも案外できました。見守り&必要に応じて添え手は必須ですが。

ゲソはイカメンチにします。材料を入れてまぜまぜ~。混ぜる作業はお互い安心してできますね。

身の部分はホイル焼きに。みんなが食べやすいよう今回はマーガリンで味付けしました。
ホイルに具材や調味料を乗せて包む作業を一緒にやっていきます。
包み終えたら蒸し焼き作業へ。今回はフライパンにお湯を張り、その中で蒸し焼きにしましたが、電子レンジでも十分調理可能なので火を使うのはなるべく避けたい、というときには電子レンジを使っています。

蒸し焼きにしている間にトマトを切ります。
子ども用包丁で、一人で切ることができました。火を使うのはお互い緊張しますが、包丁は慣れてきた様子。任せられる作業の幅がぐっと広がった気がします。

トマトを切ってもらっている間はイカメンチを揚げ焼きします。
油がはねてさすがに怖いので、大人担当です。
焼きあがったイカメンチを、火を消してから器に取り出す作業はやってもらいました。

ちなみにこのフライ返しと、子ども用包丁は百均でそろえました。使い勝手も良く、何度も使っていますが持ちもよさそうです。

そんなこんなでホイル焼きもいい感じに。

イカメンチも完成~!
しょうゆ、ソース、いろんな味で楽しめるイカメンチですが、我が家はもっぱらお好み焼きスタイル!

冷凍のもずくはここで登場です!
自然解凍させてからトマトと混ぜて、ドレッシングをかけて出来上がりです。
見た目はちょっとアレですが、この日一番早く売り切れたのがこちらでした。

■家庭でできる食育

子どもにとって、料理は食べるもの、作ってもらうものでしかなく、私も幼いころはそうでした。でも、食材や料理そのものに興味を持ったタイミングで一緒に台所に立つ、このことが何より子どもにとって選択肢を広げる刺激になるのではと今回の食育体験を通して感じました。食育体験、と呼べるほどたいそうなことはしていないのですが。
できる作業自体は少なくても、与えられる側から与える側に立って見ることで何か変わるものがあるんじゃないかな、と思います。

例えば買い物を一緒にするだけでも、これは青森のものか?別のところのものか?といつもと違った視点で会話ができました。自分が作る工程に関わった料理を「美味しい!」と食べてもらえると嬉しい、という成功体験も得られたようで、「いっぱい食べてもらえると嬉しい」と話していました。こうした「ちょっとだけいつもと違う」経験をほんの少しでも共有できたことで、子どもの視野を広げることができたのかなと思いました。

下調べの段階でも「青森の魚はほかのところより美味しそうに見えるね」とも言っていたので、それだけでも大成功だなと思えました。実際、新鮮なヤリイカももずくも美味しかったし、「これは青森のイカともずくでーす!」となぜかドヤる子どもの発言も、成功体験からくる気分の高ぶりなのかなと嬉しく思いました。
毎回手の込んだものでなくても、身近な食材に一緒に触れる経験をこれからも共有したいです。

\ 記事をシェアしよう /
X LINE ニュースを共有

関連リンク

八戸前沖さば 不漁ピンチから生まれた新商品
レポート
2024.10.31

八戸前沖さば 不漁ピンチから生まれた新商品

先人たちから引き継いだ育てる漁業・海峡サーモン
レポート
2024.10.31

先人たちから引き継いだ育てる漁業・海峡サーモン

ページ内トップへ