レポート

国際海峡の津軽海峡を望む竜飛岬

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秋田県尾去沢鉱山から車で約3時間かけて青森県外ヶ浜町の竜飛岬にやってきました。
14時半に出発し、到着したのが17時半でした。
だいぶ日も傾きだしていました。

竜飛岬といえば石川さゆりの『津軽海峡冬景色』です。冬の竜飛岬に来るのが一番なのかもしれませんが、その勇気はなかったので夏に訪れました。

津軽海峡を望む竜飛岬、津軽海峡はどんな海なのでしょうか。

津軽海峡は日本の海ではない⁉

津軽海峡は東西130キロで水深の最も深いところで450mにも達します。
西側の津軽半島から北海道の白神岬まで19.5キロ、東側の大間岬から汐首岬まで18.6キロ離れています。

津軽海峡は領海法に基づいて領海の幅が3海里(5.5キロ)に定められた特定海域です。
そのため公海部分が存在します。

この公海部分は、どこの国の船舶も航行可能になっています。よくロシアの軍艦がこの津軽海峡を横断しています。ちなみに津軽海峡はロシア語でザルガルスキー海峡と呼ばれています。昔から津軽海峡は日本防衛の重要ポイントになっています。

現在でも、むつ市大湊に海上自衛隊の地方総監部が設置され、三沢基地には航空自衛隊と米空軍が控えています。竜飛岬にも海上自衛隊竜飛警備所がありレーダーを設置しています。

このように日本防衛という視点から見ても津軽海峡の大切さが伝わってきます。

津軽海峡は豊富な漁場

青森県は西は日本海、北に津軽海峡、東に太平洋があります。
津軽海峡を流れる潮が太平洋の親潮と合流するため豊富な漁場になっています。

漁獲数量、漁獲金額ともにホタテ貝がダントツのトップです。その他にイワシやサバ、スルメイカなどが獲れます。もちろんブランドになっているマグロも獲れます。

竜飛岬でも漁業は盛んで、定置網や指網が主流の漁法です。
ヤリイカ、アオリイカ、タコ、カレイ、ヒラメなどが獲れます。

全国的に大間のマグロが有名ですが、竜飛岬でも秋ごろからマグロが釣れだします。
アオリイカを餌にしてマグロを釣ります。

竜飛漁港に水揚げされたマグロは「竜飛マグロ」として全国に流通していきます。
青森では大間のマグロほど有名ではありませんが、「竜飛マグロ」というブランドもあります。

石川さゆり『津軽海峡冬景色』

作詞家阿久悠が作詞し、演歌歌手の石川さゆりが歌った『津軽海峡冬景色』。

歌の冒頭「上野発の夜行列車おりたときから 青森駅は雪の中」
ここまで、東京の上野から青森駅に移動し、青森駅には雪が降っていたという情景しか描写されていません。それなのになぜか哀愁が漂い夜行列車の寂しさや列車の中の情景まで想像できてしまいます。『津軽海峡冬景色』には日本人独特の情景というか、何と表現していいのか分からない不思議な力があります。

そして、竜飛岬には津軽海峡冬景色歌謡碑があります。
歌謡碑だけではなくボタンを押せば『津軽海峡冬景色』のメロディが流れます。
陽の傾いた竜飛岬で1人で聞く『津軽海峡冬景色』は心に沁みました。

多くの殉職者をだした青函トンネル

竜飛岬には、本州と北海道を結ぶ海底トンネルの青函トンネル(全長53.85キロ)が通っています。青函トンネルは建設当初から新幹線規格で建設されたため、2016年3月に開業した北海道新幹線が走っています。

青函トンネルは、本州と北海道を結ぶトンネルとして、戦前から構想されていました。
戦後に勃発した朝鮮戦争の影響で機雷が津軽海峡に流れ込むことがしばしばありました。また、暴風雨になると船が航行できないなどの問題もありました。
そのため、本州と北海道を結ぶ青函トンネル構想が一気に動き出しました。

青函トンネル開通後は、本州と北海道の間を天候に関係なく輸送できるようになり1日に21往復もの貨物列車が運行しています。特に北海道産の農産物の輸送量が増えました。

そんな青函トンネルですが、建設にあたり34名が殉職しています。
竜飛岬には殉職者慰霊塔が設置されています。

階段国道339号

車で3時間かけて竜飛岬までやってきてへとへとになっていたのですが、珍しいものを発見しました。

階段国道です。
国道なのに階段で車が通れない。
そんな国道を通ってみたかったのですが、階段を上り下りする力は残っていませんでした。

国道339号線は昭和49年に国道に指定されています。
当時は坂の中腹に中学校、坂の上に小学校がありました。当時は坂の下から中腹まで階段がありましたが、昭和60年頃、中腹から上にも階段を整備しました。現在の階段は平成5〜8年度にかけて整備されたものです。国道として車道の整備をするという動きもありましたが、マスコミが階段国道を取り上げたことにより、観光資源として活用しようという結論にいたりました。そのため手すりやベンチが設置され観光整備が進みました。
実際に津軽の観光名所として人気を集め、多くの観光客が訪れるスポットになっています。

全長:388.2m
段数:362段
標高差:70m

風の岬

私が訪れた日は穏やかな天候でしたが、竜飛崎は風の岬として有名です。
そんな岬に立つのが竜飛灯台です。
津軽海峡を航行する船舶の安全を守っています。
白亜円形の竜飛灯台は日本の灯台50選にも選ばれています。

イベント名国際海峡の津軽海峡を望む竜飛岬
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