「お疲れサバ~!」を合言葉に、青森県南部地域の魅力を発信する「八戸(はづのへ)サバ嬢」という団体があります。イベントの企画や実施、地域広報などの活動を行い、県南地域の「人の魅力と暮らしぶり」を広く伝えています。
誕生したのは2018年。津軽海峡を挟む青函エリア(青森と北海道道南地域)をPRする「津軽海峡マグロ女子会」にサバ嬢の代表が加入を申し出たところ、「八戸ならマグロじゃなくて、サバ嬢がいいのでは?」と提案されて発足することになったそうです。語呂の良さと活発な活動から、八戸近隣では知名度が高まり、サバ料理コンテストの審査員など、海にまつわるイベントでも見かける機会が多くなっています。
メンバーは多種多様で、なかには農家もいます。
魚をもじった「サバ嬢」でありながら、普段は農作業をしているうめないみちこさんにお話を聞いてみました。
うめないさんは、三戸郡南部町で果樹を中心に栽培する農家の四代目です。
リンゴをはじめ、ブドウ、すももなど、春から秋にかけてたくさんの果物を生産、収穫する毎日です。知人から声をかけられ、サバ嬢に加入することになりました。
八戸には「八戸前沖さば」という地域ブランドのサバがあります。
「八戸前沖さば」は八戸前沖さばブランド推進協議会が認定した期間に、三陸沖以北の日本近海で漁獲し、青森県八戸港に水揚げされた鯖を指します。
漁獲期間は年によって変わり、粗脂肪分、重量などを参考に、協議会が判断して決めているそうです。
サバは、海水温が18度になると脂肪を蓄えるように高くなると言われています。八戸前沖は、例年9月に入ると海水温が急激に低下し、漁獲期間に八戸前沖で漁獲される600g以上のサバには、脂肪分30%を超えるものもあるそうです。
飲食店などでは脂の後味が良いと評判で、人気が高まっています。
サバのPRも行ううめないさんは、20代のころ首都圏に住んでいたそうです。
居酒屋などで刺身を注文すると、弾力がなく真っ白になったイカや、味のしない魚が届けられ、「青森の魚はとてもおいしかったんだ」とカルチャーショックを受けました。
青森県にはすばらしい品質の海産物や農産物がたくさんあるものの、知名度が高いとはいいがたく、全国的にはあまり知られていないものもあります。
サバ嬢のモットーは、とにかく楽しく活動し、地域を盛り上げていくこと。
「楽しみながらイベントを企画して、いいものをもっとたくさんの人に知ってほしい」。
陸と海にわたる活躍がこれからも続きそうです。
イベント名 | とにかく楽しく!地域を盛り上げていく『八戸サバ嬢』 |
青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(9月開店予定)店主。ローカルメディア「八戸リアルストーリーズ」編集長、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)。