長引く新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されることから、今年も「青森ねぶた祭り」の開催が中止となってしまいました。
青森市民にとっての「青森ねぶた祭り」は、まさに「短くて熱い夏」であり「誇り」でもあります。
この夏の伝統を絶やさぬよう、今年は「青森ねぶた祭り代替イベント」が「青い海公園」で開催されました!!
「まさか、2年連続で、ねぶた祭りが中止だなんて」
そう誰もが口にするほど、この新型コロナウイルスによる影響は大きいものでした。
しかし、歴史のある祭りを絶やしたくない、後世に伝えたい。
そんな思いから開催された今回の代替イベントは「心に灯(とも)せ ねぶた魂」と名付けられ、8月27日に1日限定で開催されました。
会場となった「青い森公園」では、この日は関係者のみが集い「無観客」でのイベント開催となりました。
祭りはリモートで生配信され、多くの市民は自宅などで祭りの模様を楽しむことになりました。
この日のイベントに参加したのは、今年度に新たに制作された大型ねぶた9台。
残念ながら例年通りのねぶた祭りのように、市街地を練り歩くことは叶いませんでしたが、しっかりとその勇姿を発表できる場が整いました。
そして、昨年度に「ねぶた師支援クラウドファンディング」で作られた「特別ねぶた」も1台運行されたそうです。
「学校法人 青森山田学園」の「前ねぶた」として製作された「海ゴミゼロねぶた」の姿も、会場内で見ることができました。
2019年度に製作された「海ゴミゼロねぶた」は青森ねぶた祭りの会場を練り歩きながら「あおもりの海をキレイに!」というスローガンを掲げながら、沿道の人々を楽しませてくれました。
今年は「あおもりの海を大切に より美しく」をスローガンに、このイベントに参加することになりました。
夜になり、ついに代替イベントが開始され、ねぶた囃子が青い海公園の中に響き始めました。
大型ねぶたにも灯りがともり、会場内をゆっくりと動き始めました。
実際に参加された関係者の方からは「春からずっと製作してきたねぶたに火が入り動いた姿を見て、涙が流れた」という声も聞こえてきました。
「海ゴミゼロねぶた」にも灯りがともりました。
今年のねぶたはゴミ拾い用の袋と、ゴミ拾い用の道具(青森ではデレキなどと呼ぶ物)を持った、実にユニークな姿をしてました。
時間が進むにつれ、大型ねぶたを運行するみなさんにも力が入ってきました。
「らっせらー!らっせらー!」という掛け声が、会場に響き渡ります。
約1000年の歴史があるとも言われる、日本を代表する火祭りの一つ「青森ねぶた祭り」
もはや誰が始めたのかわからない、諸説のあるこの祭り。
その長い長い歴史の中で築き上げられてきた、青森市民の「ねぶたを愛する心」「郷土を思う心」「伝統を次へ繋げる心」がしっかりと込められた、この代替イベント。
未曾有の疫病にも負けない人々の魂は、まさにこの「青森ねぶた祭り」に宿っているのだなと感じられました。
もう秋風が感じられた8月末の青い海公園で開催された代替イベント「心に灯(とも)せ ねぶた魂」
きっと多くの人々の心に「今年のねぶた祭り」として焼きついたことだと思います。
写真提供:牧野 俊之 氏(青森大学 職員)
「青森山田学園」のカメラマンとして、本イベントに参加された牧野さん。迫力のあるお写真を本当にありがとうございました!!
イベント名 | 【海ゴミゼロねぶたも出陣】「心に灯(とも)せ ねぶた魂」が青い海公園で開催されました |