レポート

【収束を願って】「青森市民ナヌカ日ねぶた」が開催されました【後編】

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新型コロナウイルス感染拡大を懸念し、戦後初の中止となってしまった「青森ねぶた祭り」

その情熱と伝統を絶やさぬよう、と青森市が8月7日に1日限りで開催したイベント「青森市民ナヌカ日ねぶた」

【前編の記事】に引き続き、青森駅前のベイエリアに位置する「青い海公園」に集結した3台の大型ねぶたと、お囃子のみなさんによる熱い演奏が、ますますヒートアップしました!!

■海沿いに響き渡る「ねぶた囃子」

「青森市民ナヌカ日ねぶた」は、青森ねぶた祭りに毎年出陣している様々な団体のご協力もあって開催されました。

「ねぶたの運行側にとっても、ねぶたへの情熱を持ち続け、ねぶたの無い異例の夏を乗り越えて来年の祭り開催に向けた想いを繋いでいくこと」を目的とし、新型コロナウイルス収束を願うねぶた囃子の演奏が、会場に響き渡りました。

青森ねぶた祭りが開催できず、悔しい思いをしているのは、お囃子団体のみなさんも同じです。

各団体としては1年中、定期的にお囃子の練習を続けているそうなのですが、感染拡大を懸念して合同練習が例年通りにできなかったそうです。

マスクを着用し、熱いお囃子の演奏に耳を傾ける青森市民。

今年のねぶた囃子は、特に涙を誘ったことでしょう。

青森市民の「じゃわめぐ(胸が踊る)」という感情も、もしかしたら心の中から蘇ったかもしれません。

お囃子は「正調」という共通のものと、各団体によって微妙に違うオリジナルのものがあります。

聴き慣れない方には難しいかもしれませんが、その違いを感じてみるのも、ねぶた囃子の面白さではないでしょうか。

■奇跡のような光景が広がる

この日は小野寺晃彦青森市長によるご挨拶もありました。

そして陽が傾いてきた18時すぎのことでした。

空が、まるでねぶたの色使いのように淡い色で焼け始めたのです。

この空を背負い、ナヌカ日ねぶたは大盛り上がりを見せました。

陸奥湾全体を覆うかのような夕焼けをバックに、大型ねぶたが美しい光景。

青森市民の情熱が空に表れたのか、はたまた、神様がくれた奇跡なのか、そんな幻想的な時間が会場を包み込みました。

■絶やさぬ情熱。「ねぶた」を愛する心

奇跡のような夕焼けが終わり、夜になってもナヌカ日ねぶた会場の情熱は止まることを知りません。

このイベントに参加され、今回の写真提供もいただきました青森大学の「清川繁人教授」に、イベントのご感想をお伺いしました。

<以下:清川教授、談>

青森市民ナヌカ日ねぶた。ほんの1日だけでしたが、来年へつなぐ大切なイベントだったと感じました。もう1年我慢して、最高の形でまた青森ねぶた祭りを開催できるのを待とう、という気持ちに、青森市民も思えたのではないでしょうか。

個人的には、あの鮮やかな夕焼けが印象的でした。青森市民の熱意が天空に昇華したのだと思います。

一説によると、その昔に流行った未知の疫病に負けないよう「悪疫退散」を願ったことも、青森ねぶた祭りの起源の一つなのではないか?と言われております。

青い海公園を会場に、1日限りで開催された「青森市民ナヌカ日ねぶた」は、とても大きな意味があったのではないでしょうか。

未知の疫病、新型コロナウイルスの収束を願って。

ねぶたを愛する青森市民の心が空をも味方にしたこのイベント。きっと、この先の未来にも語り継がれていくことでしょう。

 

<写真提供>

・青森大学 教授 清川繁人さん

・青森大学 事務局 牧野俊之さん

ご協力ありがとうございました!!

イベント名【収束を願って】「青森市民ナヌカ日ねぶた」が開催されました【後編】

レポーター紹介

ハリヤマカズキ
故郷の青森市を拠点に写真家&ライター活動をしている。季節に関係なく全身で海を感じ、海産物に囲まれていると幸せを感じる。 

Instagram:https://www.instagram.com/hary_k_photo/
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