「八戸市水産科学館 マリエント」は蕪島近くにある、地域住民に親しまれてきた施設です。魚の展示はあるものの、一般的な水族館とは趣が少し異なります。入場料は大人300円、小学生は100円とリーズナブル。市の中心部からは車で15分程度の鮫地区に位置します。
主な常設企画としては、八戸近海で古くから漁獲されてきたスルメイカに関する展示「イカパラダイス」、マリエント近くの蕪島を繁殖地にしている天然記念物・ウミネコに関する展示「ウミネコアイランド」、地球深部探査船ちきゅうに関する展示「はちのへちきゅう情報館」、八戸近隣の海洋生物と触れ合えるタッチ水槽などがあります。
8月の日曜日に、親子で遊びに行ってきました。夏休み期間中ということもあって、館内は親子連れでいっぱいです。子どもたちが最初に注目したのはタッチ水槽。金魚すくいのように、おわんとすくい網が設置されていて、触るだけでなくつかまえた生き物を目の前で観察することができます。この日、水槽に放されていたのはヤドカリやトゲクリガニ、ツブ貝などで、走るヤドカリをすくうたびに、子どもは喜びの声を上げていました。
続いて、「ウミネコアイランド」に移動。春から夏にかけて蕪島に滞在し、子育てを行うウミネコの生態に関する内容が説明されています。本物そっくりの卵の模型や、大きいサイズの卵の模型が展示されていて、子ども達はウミネコにそれまでより深く興味を持ったようでした。
続いて移動したのは「はちのへちきゅう情報館」です。地球深部探査船「ちきゅう」は、世界で初めて地球深部のマントルや巨大地震が発生するエリアへの大深度掘削ができる科学調査船だそうです。情報館には、地球の活動内容のパネルや、船の模型などが展示されています。
「ちきゅう」は様々なミッションを持ちながら調査を行っています。大きな目的の一つとしては、人類史上初めて巨大地震の震源まで掘り進み、震源のデータを直接取得して地震発生メカニズムを解明するというものがあるそうです。掘り進んだ穴に観測装置を設置し、地震発生と同時にその情報を陸上へすばやく伝えることで、地震観測のデータを都市防災に役立てることが期待されています。また、原始地球に類似した環境が残る海底深部を調査し、原始生命を探索して生命誕生の謎に迫るというミッションもあります。
「ちきゅう」は八戸沖の調査を企画したり、八戸港に入港したりすることがあるなど、青森県とは縁の深い船です。生き物だけでなく、海に関する科学について学ぶ機会になり、子どもにとっては知的好奇心が刺激された一日になったようでした。
イベント名 | 八戸市水産科学館 マリエントに行ってみよう |
青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(9月開店予定)店主。ローカルメディア「八戸リアルストーリーズ」編集長、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)。