あなたは国道なのに、車が1台も通れない国道があるなんて信じられますか?
その国道とは、青森の竜飛岬にある「階段国道」です。
この階段国道、竜飛岬の険しい断崖絶壁を縫うようにつくられ、一段下りるたびに津軽海峡の絶景が迫る、ただの珍スポットにするには惜しい絶景スポットなのです。
では、階段国道とは一体どんな国道なのでしょうか。
今回は竜飛岬にある階段国道について、どこよりもわかりやすくご紹介します。
階段国道とは、青森県東津軽郡外ヶ浜町・竜飛岬にある日本で唯一の歩行者専用国道のことです。
国道といっても、総延長388.2m、高低差約70m、362段の階段です。
竜飛岬の断崖絶壁をまるで龍が這うようにジグザグに折り返しながら上と下の道を繋いでいます。
1974年に国道に指定され、2026年現在で誕生から52年目を迎えるこの道は、今や「一度は歩いてみたい珍スポット」として観光客の間で話題です。
階段国道は、国道339号線という公的な称号を持ちながら、「遊歩道」のような道として現在も利用されています。
階段国道は国道339号線の一部でありながら、車は一切通ることができません。
「階段国道」という名前は、比喩でも何でもありません。
文字通り、そこにあるのは石造りやコンクリートの「階段」そのものです。
入り口には車止めのポールや柵があり、道幅も非常に狭いため、車はもちろん、オートバイや自転車に乗ったまま通行することも不可能です。
無理に侵入しようとしても、最初の数段で物理的に行き止まりとなります。
「国道をつくるなら、車が走れる道にすればいいのに・・・」と誰もがそう思うはずです。
階段国道が「階段」のままである理由は、階段国道の上下の道に圧倒的な「高低差」があったからです。
元々階段国道は、崖の上と崖下の漁港付近を結んでいたただの道でした。ただしその標高差は約70mもあります。
そのためこの坂道を元に車が通れる国道をつくるには、かなり無理がありました。
また道の近くに民家が密集していたことも国道建設を断念する理由になります。
結果、自動車が通る道にするには現状があまりにも厳しかったため、整備計画が具体化する前に「階段」の状態のまま国道として登録されてしまったのです。
階段国道が観光スポットとして注目されるようになった理由は、全国に数ある国道の中で、「車が通れない国道」という唯一無二の圧倒的な希少価値です。
地図上では立派な「国道」なのに、実際に行ってみると「ただの階段」というシュールなギャップが、竜飛岬を訪れる観光客の好奇心を激しく刺激しました。
1990年代にメディアや旅雑誌で「珍スポット」として取り上げられるようになると、その噂は瞬く間に広がります。
「一度はこの目で見て、自分の足で踏破してみたい」という観光客が後を絶たなくなったのです。
実は階段国道の魅力は、「車が通れない国道」というだけではありません。
階段国道のすぐ上には、石川さゆりさんの名曲「津軽海峡・冬景色」の歌碑が設置されているのです。
この歌碑にある赤いボタンを押すと、竜飛岬の強風に負けない大音量でサビが流れ、旅情を一気に盛り上げてくれます。
下から階段国道を昇り、息を切らしながら大音量の名曲を聞き、眼下の海を眺めることで、「究極の最果て演出」をセットで楽しむことができます。
この歌碑のおかげで、階段国道は観光スポットとしての不動の地位を築き上げることができました。
階段国道には駐車場はあります。
階段国道の上が灯台側、下が漁港側です。どちらからでもアクセス可能です。
上から下りる派におすすめの駐車場は竜飛岬灯台付近の駐車場です。
竜飛岬灯台、または「津軽海峡・冬景色」歌碑のすぐ近くにある公共駐車場です。
「上」から眼下に広がる津軽海峡を眺め、最高の気分のまま階段を下り始められます。
有名な「国道339号」の青い標識(おにぎり)が階段の入り口にあるため、記念撮影がスムーズです。
注意点は下りきった後、車に戻るためには「362段を昇り返す」必要があります。これ、最後の一息がかなり足にきます。
下から登る派におすすめするのが竜飛漁港付近の駐車場です。
場所は階段の下、漁港近くの広い駐車スペースです。
こちらは昇りきった後の最後のご褒美として頂上の絶景と「歌碑」の音楽を楽しむ、というドラマチックな展開が期待できます。
昇りきった後の「やり遂げた感」は格別です。
注意点は、やはり車に戻るために階段を下りるか、あるいはバイパス道路を歩いて戻る点です。
もし、あなたがこの階段国道で「一生忘れられない景色」に出会いたいと願うなら、迷わず「上から下へ」へ歩いてみてください。
その理由は、何ごとにも代えがたい「圧倒的な絶景」を、心ゆくまで独り占めにできるからです。
一歩、階段を踏み出す。その瞬間、あなたの視界を遮るものは何一つなくなります。
目の前に広がるのは、吸い込まれるようなブルーの津軽海峡。上から下りていくルートは、常にその雄大な海を正面に抱きながら進む、まさに「天空の散歩道」です。
一段下りるごとに、潮騒の音が少しずつ大きくなり、海がぐんぐんとあなたに近づいてくる。
ジグザグの角を曲がるたび、隠れていた水平線がパッと鮮やかに、どこまでも広く、どこまでも深く広がっていく。それはまるで、あなたが青森の海そのものへと溶け込んでいくような、あまりにも贅沢な没入体験です。