みなさんは海岸清掃をしたことはありますか?
わたしはつい先日、青森県むつ市にある赤川海岸で清掃活動に参加してきました。地域のNPO法人が主催しており、子どもから大人まで20名以上の方が参加していたと思います。昔は海水浴場としてむつ市民から親しまれていましたが、現在は遊泳禁止だそうです。
わたしは生まれも育ちもむつ市ですが、赤川海岸は今回の清掃活動ではじめて訪れました。目の前に広がるおだやかなむつ湾は、透きとおって輝いており、海の向こう側に見えるむつ市の街並みは絶景でした。もう20年以上むつ市に住んでいますが、こんなに素敵なスポットがあったなんて。
主催者のあいさつが終わり、注意事項を頭に入れたらスタートです。慣れている方はデレキを持参していましたが、わたしは軍手のみ。手づかみで頑張りました。
「遊泳禁止区域だし、そんなに落ちていないだろう」と思っていましたが、開始早々目に入るゴミの多さに驚きました。お菓子や食品のから、長い縄のようなもの、ペットボトルや瓶などの容器、ライター、割りばしなどあらゆるゴミがたくさん!なかには砂のなかに埋まっていて、ひっぱっても取れないようなゴミもありました。
海に遊びに行く機会が多いむつ市民ですが、想像の倍以上のゴミが落ちていて悲しくなりました。
特に驚いたのが、このアルミ缶。
長い間捨てられていたように思えますが「ジュースの空き缶だ」と認識できるくらい、形が残っているのです。こうして人口的につくられたものは、すぐに自然に還ることなくそのままゴミとして海を汚すことになります。
こういったゴミが、砂浜だけではなく海のなかにもあったら……。考えただけでぞっとしますよね。
砂浜や海のなかに落ちているゴミのほとんどは、わたしたちが暮らす街からきています。街で捨てられたゴミが、水路や川に流れだし、海へとたどり着くのです。
日本財団と日本コカ・コーラ株式会社が共同で実施した調査によると、ゴミの発生原因は「廃棄・ぽい捨て系」と「漏洩系」の2つに分類されることがわかりました。
(参考:日本財団ジャーナル【増え続ける海洋ゴミ】今さら聞けない海洋ゴミ問題。私たちにできること)
「廃棄・ぽい捨て」はその名のとおり、捨てるべき場所に捨てないこと。「漏洩系」とは、ゴミ収集場所からの漏洩や、災害時に緊急で使用された製品や農業資材が流出されることで発生するゴミです。
特に問題になっているのが、プラスチックゴミです。海中のゴミの半分以上を占めており、自然界で完全に分解されるまでに、数百年以上かかります。その残ったゴミを食べてしまった海の生きものたちは、生きていくことができません。
2050年には、魚よりも海のなかのゴミの方が多くなるといわれています。
そんな未来を防ぐために、わたしたちはなにができるのでしょうか。
1つ目はポイ捨てをしないこと。大前提、人として最低限守っていくべきマナーです。ゴミは決められた場所に、分別して捨てましょう。
出先でゴミが出た場合は、からのビニール袋を持参しまとめていれておきます。そうすることでかばんのなかでも邪魔にならず、帰宅後スムーズに捨てられますよ。
2つ目はエコバッグを持参することです。レジ袋の使用を減らすことは、プラスチックゴミを減らすことにもつながります。
2020年からレジ袋の有料化が義務付けられたため、持っている方も多いのではないでしょうか。
わたしはつい忘れてしまうため、いくつか所持し、よく使うかばんや車の中に常備しています。最近ではおしゃれなデザインのエコバッグをよく見かけます。お気に入りのエコバッグでする買い物は、一段と気分が上がりますよ。
3つ目は、清掃活動に参加してみることです。調べてみると、思ったより多くの地域で積極的に開催されています。ちなみにわたしが住む下北地域では、今年にはいってからすでに4か所で清掃活動がおこなわれていました。
わたしは実際に海岸清掃に参加したことで、ゴミ問題への意識が変わりました。環境に配慮された商品や、ゴミを減らすため長く使える商品を選んでいます。こういった機会がないと現実を知ることができないので、参加してよかったなと思っています。
海のゴミ問題は、わたしたちだけでは完全に解決できない難しい問題です。
ただ、ひとりひとりが意識をもって向きあうことで、確実にゴミを減らすことができます。
この記事で紹介したちいさなことからはじめるだけでも、みんなで取り組めば大きな力になるはずです。
青森県は3つの海に囲まれ、たくさんの自然に恵まれています。わたしたちはその自然があるからこそ、豊かに生活できているのだと思います。
わたしたちがいつまでも誇れる青森県を存続させるためにも、ゴミを減らす意識をもって行動していきたいですね。
イベント名 | 海岸清掃に参加!自分たちの手でふるさとの自然を守ろう |