レポート

五感で日本海を感じる!ぶらり深浦ドライブ

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青森県は三方を海に囲まれています。下北半島は陸奥湾・津軽海峡に囲まれ、南部地方は太平洋に接し、そして津軽地方には日本海が面しています。日本海というと冬の荒々しく厳しい海というイメージがあるかもしれませんが、一方、夏は穏やかで雄大な一面を見せてくれます。今回は、たっぷりと夏の日本海を感じるため、深浦町を訪れました。

■絶景と波の音を感じる「千畳敷海岸」

深浦町の海の名所といえば千畳敷海岸です。千畳敷という名の由来は、昔の殿様がこの海岸に千畳の畳をしきつめ、宴会を開催したという伝説から来ているのだそうです。本当に畳を敷くことのできるような、広大に広がる平らな岩棚が特徴的です。

実はこの海岸線、かの太宰治の名著「津軽」のなかでも記されています。
「……その海蝕を受けて平坦になった斑緑色の岩盤が江戸時代の末期にお化けみたいに海上に露出して、数百人の宴会を海濱に於いて催す事が出来るほどのお座敷になつたので、これを千畳敷と名附け……」
時代を超えて、津軽で暮らす人々を魅了してきた海岸なのですね。そう思うと、眼前に広がる光景がより一層美しく見えます。

また、千畳敷海岸の特徴は、恵比寿岩、かぶと岩などと名づけられた奇岩が多いことでもあります。平坦な岩棚と高々とそびえたつ奇岩のコントラストに圧倒されること間違いなしです。

一方、足元に目を向けてみると、潮の満ち引きの関係で、岩盤が丸く窪み海水の溜まった「盃乃澗(さかずきのま)」と呼ばれる場所があります。これを称して太宰治は
「……またその岩盤のところどころが丸く窪んで海水を湛へ、あたかもお酒をなみなみと注いだ大盃みたいな形なので、これを盃沼と稱するのださうだけれど、直径一尺から二尺くらゐのたくさんの大穴をことごとく盃を見たてるなど、よっぽどの大酒飲みが名附けたものに違ひない……」
と語っています。太宰らしい皮肉のきいた視点と語り口が、くすっと笑わせてくれる一節になっています。

そのほか、夕陽の名所としても名高く「日本の夕陽百選」に選ばれ、夏場は海水浴とキャンプで大人気のスポットであり「日本の水浴場55選」にも選ばれています。車はもちろん、五能線の快速「リゾートしらかみ」でも遊びに行くことができます。

■豊かな香りを感じる「かそせいか焼き村」

千畳敷海岸から車を10分ほど走らせると、深浦町の道の駅「かそせいか焼き村」に到着します。みなさん「かそせ」を漢字で書くことができますか?「風合瀬」と書くそうで、難読漢字として有名らしいですよ。読んで字のごとく、東西からの風がぶつかる海岸(瀬)という意味だそうです。

道の駅に到着するやいなや、いか焼きの香ばしい匂いがします。かそせいか焼き村では、炭火でじっくり焼き上げるスルメイカを味わうことができます。イカと言うと、鯵ヶ沢町のイカのカーテンが有名ですが、深浦でも香ばしくプリプリの身が美味しいイカ焼きを味わうことができます。

そんないか焼きの香りを感じながら道の駅に入ると、打って変わって磯の香りが漂っています。店内にはオール深浦町産の新鮮な魚介がずらりと並んでおり壮観です。しかし、品揃えもさることながら、びっくりするのはそのお値段。まちなかのスーパーでは買えないようなお得な価格でお買い求めいただくことができます。

店内には、鮮魚だけでなくお惣菜や揚げ物なども販売しています。味のある川柳も飾られており、なんだか心がほっこりとします。観光客だけでなく、地元の方も多く利用されており、地域に愛されている道の駅だなと感じました。

■日本海の恵みを食する「食べ物屋 セイリング」

かそせいか焼き村から、さらに車を20分ほど走らせると、JR五能線深浦駅近くにオレンジ色が映える建物が見えてきます。日本海・白神山地の恵みを活かした美味しい料理を提供することで定評のある「食べ物屋 セイリング」というお店です。ご夫婦で営まれており、アットホームな雰囲気で、居心地の良い店内です。

食べ物屋セイリングの名物は、深浦マグロ丼御前と深浦サーモン丼御前とのこと。どちらも捨てがたいですが、今回は深浦サーモン丼御前を注文することにしました。
お料理が到着すると、その迫力に愕然とします。お盆の中心には大きな丼ぶりが鎮座しています。その大きな丼から溢れんばかりに敷き詰められた深浦サーモン。一口食べると、甘くとろけるような味わいが口いっぱいに広がります。さらに丼ぶりを取り囲むように並べられた10種類ほどの小鉢も贅沢です。その土地でとれた旬の野菜や魚介類を使った種々の料理も絶品でした。正直、この定食を食べるために深浦に来てもいいくらいの満足度があります。

またこの時はサービスで、ふかうら雪人参ビーフシチューも一口いただくことができました。ふかうら雪人参は、本来秋に収穫される人参を冬まで育てることで、一般に流通している人参よりも糖度が強くなり、まるでフルーツのような甘みが特徴的です。
そんな雪人参がたっぷり入ったビーフシチューも、なめらかな口どけと自然な甘さが絶妙な一品でした。こちらはお土産として県内の土産物店等でも販売していますので、見かけた際はぜひチェックしてみてくださいね。

今回は深浦町まで足を伸ばし、五感で海を感じるドライブをしました。体いっぱいに自然を感じるのは気持ちがよく、かつ青森の魅力を再発見できた旅になりました。
皆さんも、深浦町で心も身体もリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?

イベント名五感で日本海を感じる!ぶらり深浦ドライブ
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