レポート

ピラニアの水槽で行方不明になった従業員? ネットで話題の仕掛け人に聞いてみた

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青森にある浅虫水族館のピラニアの水槽がネットで話題となっている。10月5日にツイッターアカウント「鱗(@rainy_bluemoon)」さんが発信した内容は、ピラニア水槽を担当していた従業員がいなくなり、水槽内にあるはずもない人間のがい骨があるというもの。このユニークな仕掛けを行った担当者にお話を聞いてみた。

浅虫水族館に何が起こった?

浅虫水族館は青森県内では唯一の水族館で、本州最北にあります。青森市から車で約20分。温泉で有名な浅虫エリアの一画にあり、今年で35周年を迎えました。また、魚を見るだけでなくアカデミックな勉強になるガイドなどが多いと定評で、約300種1万5千点もの魚介類を展示しています。


▲浅虫水族館

今回案内していただいたのは、飼育展示部魚類グループの三浦弘毅さん。入社3年目で、今年4月からピラニアの水槽などを担当するようになったと言います。


▲三浦さん。小さいころから熱帯魚を飼い、大学時代は生き物のサークルに所属していた

鱗さんのツイートは現在(10月10日)、6万以上のリツイートがあり10万以上のファボ(いいね)が付いています。三浦さんは「ネットの反響は知っていたが、ここまでとは想像もしていなかった」と話します。


▲ピラニアの水槽にがい骨

話題の水槽は2階にありました。あの獰猛で肉食魚として有名なピラニアが400匹いるという水槽の中に、がい骨も展示されてあります。そして、その手前には担当飼育員がいなくなったという案内板。


▲説明書きによると、最近恋人ができたということらしい

「恋人ができたというのはいわゆる『死亡フラグ』ですよね」と笑顔の三浦さん。「10月1日から始まったハロウィン企画の一環で、『ピラニアに食べられた飼育員の骨を入れたら面白いんじゃないか』というポロっと出た一声が実現した」と振り返ります。

ハロウィン企画の面白心

浅虫水族館ではハロウィン企画を昨年から始め、ハロウィンのバルーンゲートやかぼちゃランタンなどの展示を行っていました。今年の9月の打ち合わせで、今回は水槽にも仕掛けを作りたいと提案したのがハロウィン担当の奥泉あゆさん。それにアイデアを出したのが魚類展示リーダーの原田洵治さんでした。


▲入り口にはハロウィンのバルーンゲート

ピラニアの水槽内にがい骨を入れることになった三浦さんは、ネットでがい骨の標本を購入。ピラニアの水槽に沈め、固定するために3本の釣り糸で結んだそうです。ピラニアの水槽での作業は危なくなかったのでしょうか。


▲水槽の上から

「ピラニアは血の匂いで近づき人を襲うこともありますが、本来は臆病な生き物で環境が変わっただけで食事もしなくなるようなデリケートな魚なんです」と三浦さん。実は、ピラニアの展示は今年の7月から同館では5年ぶり。水槽に移し替えた際も、一週間ほどはエサを食べてくれなかったとか。


▲餌やりをする三浦さん。飼育を担当して身の危険を感じたことは一度もないという

がい骨の標本を水槽に入れる際も、ピラニアたちは警戒して近づくことはなかったよう。今ではすっかり慣れてしまったようですが、三浦さんによると、がい骨を固定する釣り糸3本のうち、2本は咬み切られてしまっているとのこと。やっぱり怖い生き物なのかもしれない…


▲このタイプの糸を噛み切ってしまうとは・・・

三浦さんのお気に入りはピラニアのうろこ。腹の部分がオレンジで美しさを感じます。そして現在、三浦さんはピラニアのアトラクションショーを企画しているようで、パフォーマンスが披露できるよう準備をしているんだとか。楽しみですね。


▲ピラニア。音や動きに敏感ですぐに反応する

最後に三浦さんは、「解説は各担当者が創作したもの。おもしろがって足を運ぶ機会になればうれしい」と話します。

浅虫水族館では他にもハロウィン企画

浅虫水族館の館内では現在、5つの水槽でハロウィン企画を実施しています。ハロウィン期間だけにしか展示しないクラゲもいました。おばけのような姿をしているからという理由で期間中のみの展示になっています。


▲タコクラゲ。普段は一般公開されていない

そのほか、昨年日本で初めて繁殖に成功したオオカミウオの水槽もハロウィン仕様です。ハロウィンとオオカミはあまりつながりがないようにも感じますが(笑)、ご愛敬。ハロウィンかぼちゃなどでデコレートされていました。


▲ハロウィンの装飾がされたオオカミウオの幼魚の水槽

ハロウィン企画は10月31日まで。期間中の毎週土曜日17時からは「夜の水族館ハロウィンナイト」と題して、一般入場が可能に。昼とは少し違った雰囲気の館内を楽しめるだけでなく、おばけクラゲ制作や「死のピラニアプリン」(350円)を限定販売。仮装して来場した方には記念品の進呈もあります。


▲かぼちゃプリンと黒ごまプリンにりんごジャムをトッピングしたピラニアプリン

普段見る機会が少ない魚や日本の海には生息しない生物などを身近に見ることができる浅虫水族館。これからも楽しい企画を仕掛けてほしいですね。ぜひお見逃しなく!


▲助けを求めるように左手を挙げている点も細かいこだわり

<基本情報.>
あさむし水族館
青森市浅虫馬場山1-25
TEL 017-752-3377
http://asamushi-aqua.com/
入場料 高校生以上=1,020円、小・中学生=510円、
イルカパフォーマンス終了後 高校生以上=710円、小・中学生=360円
幼児無料
営業時間 9時~17時

イベント名あさむし水族館 ハロウィン企画
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