「秋の長雨」とはよく言ったもので、ねぶた祭が終わって8月下旬から9月に入ると、青森県内は天気がパッとしない日が続いておりました。
しかし「雨だから出かけられない」というわけではなく「雨だからこそ見られる街の風景」を見に行くチャンスと、前向きに考えてみませんか?
今回は「雨の街を探訪」と題しまして、海に近い街、青森市の浅虫温泉地区を散策してみました。
ぶらぶらと途中下車して訪れたのは、青い森鉄道の「浅虫温泉駅」。その名の通り、東北の熱海とも呼ばれる歴史の深い温泉街「浅虫温泉」の顔とも言える駅です。
さすが温泉街の駅らしく、駅前の広場には「足湯」も設置されておりました。
朝の7時、8時代から夜の19時半まで入れる足湯なので、列車を降りてすぐに足湯で一息つくこともできます。また、朝の散歩での休憩スポットとしても人気なのだとか。
駅のホームにも、所々に青森市らしい物が設置されてました。ねぶたの絵が描かれた木もさりげなく置かれているので、隠れた「青森」を探してみるのも面白いですよ。
駅から少しだけ温泉街を奥へ、山手の方へ歩いてみます。古くからの街並みも今日は雨の表情で、どこか昔懐かしいような世界に迷い込む気にもなります。
色々なキャラクターが描かれた灯篭も、今日は雨支度。これもまた、趣があってよろしいですね。
こちらにも「足湯」が設置されてました。地元の人の話によれば、温泉街の足湯の方が源泉に近く、より熱い足湯を好む人にはおススメとのことです。
また、隣には「温泉卵」を自作できるという素晴らしい設備もありました。これは面白そう。
卵は自分で持参する必要がありますが、籠に入れて15分ほど温泉に浸しておけば、本格的な温泉卵が作れるのだそうです。
近所の温泉旅館の方の話によると「同じ源泉に近いお湯であっても、ここの公園のお湯じゃないと温泉卵が作れない。不思議なんだよ」とのこと。微妙な温度の差なのでしょうか?
温泉街らしい光景が街の随所に見られるので、歩いてみると面白いです。
再び浅虫温泉駅の前まで戻ってきました。駅前には道路や国道を跨いで大きな歩道橋が設置されておりますので、ここも歩いてみましょう。
歩道橋の上からは青い森鉄道の線路がある風景、山、温泉街が一望できます。雨も少し弱まってきましたので、ゆっくり見て歩きたいと思います。
歩道橋の上からは海も見えました。陸奥湾も今日は雨空ですが、歩いていってみましょうか。
海の見える位置には木のベンチも設置されてました。誰かが置いていった瓶も雨に濡れてます。
ここからは「海の駅あさむし」や「サンセットビーチ浅虫」も一望できます。もちろん夕日の時間には最高のロケーションが期待できそうですが、今日は雨なので、仕方ないです。
でも、雨の日の海もなかなか良いですね。なぜだかわからないけれど、ふと昔のことを思い出しながらゆっくりと時間を過ごせる場所となります。こんな日もあるから、また晴れの海を見に来たくなるのではないでしょうか?
海から国道4号を歩いて戻ります。アスファルトが雨に濡れて、なんだか幻想的にも見えます。
浅虫温泉には、道の駅「ゆ〜さ浅虫」もあります。こちらは海の見える展望温泉も完備した全国的にも珍しい道の駅で、旅人にも大人気のスポットです。
建物の一階は売店コーナーがメインで、青森県のご当地の食べ物やお菓子、浅虫温泉饅頭なんかも売られていて、ゆっくり見て回ると面白いです。
お酒好きの方にも嬉しい、地酒やご当地のアルコール飲料類も豊富です。
また、道の駅に隣接した「ゆ〜さ市場」は新鮮な海の幸がいつでも買える小さなスーパーとなっており、地元の方にも大人気です。
市場内には飲食スペースもあり、ちょっとした休憩には最適ですね。
今回、浅虫温泉街をぶらぶらと歩いてみて感じたのは「なんでも揃っている」ということでした。青い森鉄道が通っていて、徒歩圏には足湯、温泉卵を作れる公園、立派な歩道橋、ビーチ、道の駅、他にも見所がたくさん。これは素晴らしい街です。
そしてなんと言っても「海」が目の前にあって、「山」も楽しめちゃう温泉街って、これは本当に全国的にも珍しいですよ。今回は日帰りの途中下車でぶらぶらした旅でしたが、次回はぜひ温泉宿にも泊まってゆっくりと海を眺めたいですね。
帰り道の青い森鉄道のホームには、青森方面へ向かうお客さんたちが数名いらっしゃいました。雨の街の探訪も、色んな表情があって楽しいですよ。
イベント名 | 【雨の街を探訪】海が目の前の「浅虫温泉街」で途中下車、ゆっくり探訪してみよう。 |
海が大好き。魚介類も大好き。3つの海に囲まれた青森県内を旅し、写真撮影と取材に情熱をかける男。海のことを考えると夜も眠れない