レポート

【津軽びいどろファン必見!】“青森の海”をイメージして作った酒器をご存知ですか?

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青森県内だけにとどまらず、もはや全国的に人気のある津軽びいどろ。皆さんの周りにも、ファンだよ~、集めてるよ~って方、いらっしゃるのではないでしょうか。私ももちろん津軽びいどろの大ファンで、タンブラーやお猪口、豆皿などを愛用しています。

見ているだけでも癒やされるのですが、使い勝手もいい。そしてひとつひとつに個性と味があり、選ぶ楽しみも尽きません。ついつい、集めたくなっちゃいます。

 

 

■津軽びいどろとは

(HPより引用/ 津軽びいどろ (tsugaruvidro.jp)

 

青森市に工場を構える、昭和24年創業の北洋硝子(株)が手がけている、ガラス製の工芸品です。酒器だけでなく、風鈴や花器、オイルランプなども製造されています。

日本における美しい四季のストーリーが落とし込まれた、幾千もの色彩を纏っているのが特徴です。手作りならではの温かみがあるだけでなく、華やかで品もあるので、贈り物としてもふさわしい品物です。

■青森の海×津軽びいどろ

 

そんな津軽びいどろに、“青森の海”から着想を得て作られた酒器があるんです!

なんとこのたび、北洋硝子と海と日本プロジェクトin青森県がコラボして、青森の4つの海をイメージした新商品を生み出しました!その名も、「あおもりの海 盃セット」。

ご覧ください!とっっってもきれいな色味ですよね!

奥の酒器から時計回りに、津軽海峡(写真上)、陸奥湾(写真右)、太平洋(写真下)、日本海(写真左)の4つの海を表現しています。ひとつずつ色味や形状が異なることで、より楽しくおいしくお酒を嗜むことができそうです。

 

こちらの酒器セットをデザインしたのは、デザイナーの木下さん。

「この酒器を使って、青森の海の幸をぜひ味わっていただきたい。その中で、海っていいな、これからもきれいな海を未来に残していきたいな、という想いにつながってくれたら」と話してくださいました。

4つの酒器が収められているパッケージにも、きれいな海の色が水彩画のようなタッチで表現されています。

 

細やかな色味の調整を担当したのは、色づくり・溶融のプロとして「あおもりマイスター」にも認定されている中川工場長。

「ほぼ100点満点の出来映えだと思う」と、自信のほどを見せてくださいました。

プライベートでは大の釣り好きとあって、数々の海の色を熟知しています。10色以上ある青色ガラスを巧みに使い、4つの海を再現しました。

 

ちなみに北洋硝子は、もともとは漁業で使用される「浮玉」をメインに製造していました。あるときふと職人さんが、津軽半島の西部に位置する七里長浜の砂を原料に混ぜてみたところ…無色透明だったガラスが、深みのある緑色へと姿を変えることを発見したのです。

この出来事が、津軽びいどろ誕生のきっかけとなったそうです。とてもロマンチックなエピソードですよね。

「北洋」という名前がついているだけあって、昔から何かと海に縁があったのですね♩

 

■工場での製造の様子

さて、これらの美しい酒器が一体どのように作られているのか、知りたくなってきませんか?

というわけで、実際に工場にお邪魔し、製造の様子を見学してきました。

「THE 工場」といった雰囲気に思わずテンションが上がります。

工場内にはガラスを溶かすための炉があり、12月半ばの寒い時期でも半袖を着ている職人さんが多くいらっしゃいました。皆さんのTシャツに「津軽びいどろ」という文字が刻まれており、工場内の連帯感が伝わってきます。

 

津軽びいどろの製造技法は、熱したガラスを吹き竿の先に巻き取り、型を使わず息を吹き込むことで成型していく「宙吹き」です。TVなどでその様子を見たことがある、という方も多いと思います。

(HPより引用/ 津軽びいどろ (tsugaruvidro.jp)

 

「あおもりの海 盃セット」の製造には、それとはまた異なる別の技法が用いられています。

 

こちらの機械を使った、「スピン成型」という技法にて作られます。

お皿のような金型の部分が高速回転し、その遠心力を利用してガラスを成型する技法です。

金型を利用するとはいっても、手仕事であるということに変わりはありません。回転させるスピードを調整し理想的な模様を描き出すのは、あくまでも職人さんの繊細な手作業によるものだからです。

研ぎ澄まされた手元の感覚が欠かせず、操作には長年の技術が必要になります。

 

また、酒器の製造はチームによって行われています。

ひとりの職人さんが作っているのかな?というイメージを持っていたので、驚きでした。複数人の職人さんが関わり合ってこそ、生み出される美しさなのですね。

 

チームを引っ張るのは、この道10年以上の腕利き職人成田さん。

後輩思いで、優しい性格の持ち主だそうです。

 

いよいよ“日本海”の製造が開始。まずはガラスを炉で溶かします。

熱したガラスの状態を正確に見極めています。まさに経験のなせる技、といった感じですね。

ガラスは、1500度ほどに熱されます。炉からのぞく炎の赤みが、その高温ぶりを表しています。

ガラスが溶けたら、先にコバルト色のガラスを担当する職人さんが、最適な量とタイミングを見計らい溶かしたガラスを金型まで届けます。この時点ではまだガラスは真っ赤なので、これが青色のガラスであるという判別は全くできません。不思議な感覚です。

 

それをハサミでチョキン。

あ、TVでも見たことがある光景!

 

続いて、透明のガラスを担当する職人さんが、溶かしたガラスを金型まで運びます。

こちらもハサミでチョキンとした後、きらきらと輝く金箔を入れ込みます。

もともとは1枚の金箔なのですが、回転をかけることで分裂し、全体にきらめきが散らばっていくのだそうです。

 

金型が回り出したかと思うと、あっという間に成型が完了。想像以上のスピード感で進んでいく工程に、再び驚いてしまいました。お猪口などの酒器は大変人気があるようで、なんと一日に千個ほど製造されているそうです!

女性の職人さんが、そ~っと慎重に取り出します。

“日本海”が完成しました。きれいなコバルト色がしっかりと見てとれます。

ついさきほどまで溶けたガラスの塊だったものが、この短い時間でこのような酒器に生まれ変わってしまうんですね!息ぴったりの連携プレーは圧巻でした。

 

この後は、「徐冷炉」という機械に入れ、少しずつ冷まします。

「除冷」のための機械であっても、中には炎の姿が確認できます。

一度温度を上げてから、一定の温度カーブで徐々に、細心の注意を払いながら熱をとっていきます。そうしないと、せっかくの作品が割れたり歪んだりしてしまうのだそうです。

 

青森の表情豊かな海に想いを馳せながら、青森の地酒や海の幸を堪能する…そんなこの上なく幸せな時間を、この酒器はもたらしてくれそうです。

 

■“青森の海”といえば、こんな面白い酒器セットもありますよ!

“青森の海”にまつわる津軽びいどろは、他にも存在します。それがまた面白いんです。

4つの酒器の色をよーく見てください。何かに見えてきませんか!?

…そう、実はこれ、それぞれが青森の海で捕れるお魚の色になっているんです!左側奥から、サバ、ヒラメ、マグロ、マダイ。

私にはもう、それにしか見えません(笑)とってもかわいいですよね♩

 

 

■津軽びいどろも、美しい海も、永遠であるように

 

改めて、「青森の海や魚の要素を津軽びいどろに反映させよう」という発想は、本当に素敵なものだと感じました。手に取ることで、工芸品の素晴らしさに気付けるだけでなく、これからもきれいな海を守ろう、魚たちの住みよい環境を維持しよう、そんな気持ちの芽生えにもつながっていくからです。

皆さんそれぞれ、海の思い出を持っていることと思います。その懐かしい海での記憶を辿りながら、こちらの酒器でお酒を味わってみてはいかがでしょうか。「私たちが誇るきれいな海も津軽びいどろも、これからも永遠に残り続けていてほしいな」そんな温かい想いが、込み上げてくるはずですよ♩

 

「あおもりの海 盃セット」¥5,500(税込み)

お取り扱い店(順次拡大予定)/工場直営店、KISUKE(ラビナ内雑貨店)、八食センター

お問い合わせ先/北洋硝子株式会社 TEL.0177825183

 

イベント名【津軽びいどろファン必見!】“青森の海”をイメージして作った酒器をご存知ですか?
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